新疆ウイグル自治区の元収容者、オバルベク・トゥルダクンさん(43)とその家族が米首都ワシントンのダレス国際空港に降り立つと、米当局者が出迎えていた。中国で最も厳しく管理された地域からの長い異例の脱出が、歓喜で終わった瞬間だった。トゥルダクンさんと妻、12歳の息子は8日夜、新疆ウイグル自治区の当局から逃れ、米国に到着した。中国の中央アジア辺境にある山や砂漠が広がる同自治区では、政府がチュルク系少数民族に対し、何年にもわたって強制同化活動を行っている。一家の試練は、キルギス民族のトゥルダクンさんが強制収容所に連行された2018年に始まった。そこで10カ月過ごし、政治的教化を施され、手足をまひさせる謎の物質を投与されたという。