ニュースで見聞きした国、オリンピックやW杯に出場した国、ガイドブックで目にとまった国――名前だけは知っていても「どんな国なのか?」とイメージすることは意外と難しい。大人の教養として世界の国々を知ろうと思った時におすすめ1冊が、新刊『読むだけで世界地図が頭に入る本』(井田仁康・編著)だ。世界地図を約30の地域に分け、地図を眺めながら世界212の国と地域を俯瞰する。各地域の特徴や国どうしの関係をコンパクトに学べて、大人なら知っておきたい世界の重要問題をスッキリ理解することができる画期的な1冊だ。本書から特別に一部を抜粋して紹介する。
ニウエってどんな国?
ニュージーランドの北東2400㎞に位置するポリネシアの国です。世界最大のサンゴ礁でできた楕円形の島で、愛知県豊橋市とほぼ同じ面積です。
サンゴ礁でできた島は一般には標高が低いですが、ニウエは海面上約60mにわたる断崖のある台地の地形となっていて、海にポツンと立っているように見えることから「ポリネシアの岩」ともいわれます。
サンゴ礁でできているため土地は石灰質で、水が地面に浸透してしまうので湖はなく、地底では水が石灰岩を溶かすので洞窟が多くなっています。
ニュージーランドとの強い関係性
1901年にニュージーランドの属領となり、1974年に内政自治権を獲得し、ニュージーランドとの自由連合に移行しました。現在でも防衛と外交はニュージーランドが負っています。
ニュージーランドとの自由連合関係を維持し、PIF(太平洋諸島フォーラム)に加盟し、このフォーラムに加盟する16ヵ国2地域との域内協力を進めています。
*PIF(Pacific Islands Forum 太平洋諸島フォーラム)
太平洋諸国首脳の対話の場。政治・経済・安全保障など幅広い分野において域内共通関心事項の討議を行う。域内で発生した民族・部族対立に対しては多国籍軍を編成する。オーストラリア、ニュージーランドなど、オセアニアの16ヵ国2地域が加盟している(パラオ、マーシャル諸島、キリバス、ナウル、ミクロネシア連邦は脱退を表明)。
加えて、WHOなどの国際機関にも加盟し、EUやインド、中国との外交関係もつくりはじめ、2015年に日本もニウエを国家として承認しました。
一方で、人口が少なく、ニュージーランドへの移住者も多いために、経済発展は進んでいません。主要産業は農漁業ですが、観光に力を入れ始めています。
ニウエ
面積:260㎢ 首都:アロフィ
人口:2000 通貨:ニュージーランド・ドル
言語:ニウエ語(公用語)、英語(公用語)
宗教:プロテスタント63.1%、カトリック8.4%
参考文献:『2022 データブックオブ・ザ・ワールド』(二宮書店)、CIA The World Factbook(2022年2月時点)
(本稿は、『読むだけで世界地図が頭に入る本』から抜粋・編集したものです。)