ニュースで見聞きした国、オリンピックやW杯に出場した国、ガイドブックで目にとまった国――名前だけは知っていても「どんな国なのか?」とイメージすることは意外と難しい。大人の教養として世界の国々を知ろうと思った時におすすめ1冊が、新刊『読むだけで世界地図が頭に入る本』(井田仁康・編著)だ。世界地図を約30の地域に分け、地図を眺めながら世界212の国と地域を俯瞰する。各地域の特徴や国どうしの関係をコンパクトに学べて、大人なら知っておきたい世界の重要問題をスッキリ理解することができる画期的な1冊だ。本書から特別に一部を抜粋して紹介する。
ツバルってどんな国?
ツバルは、9つの環礁島からなるポリネシア最西端の国です。
ポリネシア系の人々が住むエリス諸島は南太平洋の赤道近くに位置し、ミクロネシア系のギルバート諸島(現在のキリバス)とともに、19世紀の終わりからイギリスの保護領、1915年以降は植民地とされていました。
しかし、1975年に、ポリネシア系のツバル人とミクロネシア系のキリバス人との文化が異なるという理由でエリス諸島が分離し「ツバル」と改称して、1978年に独立しました。
国名の「ツバル」は人が居住する「8つの島の結合」を意味しています。9つの環礁からなり、最高地点は海抜5.6m と低く、海面上昇で居住地が海水につかるなど地球温暖化による深刻な影響を受けています。
天然資源に乏しい、平和愛好国とのみ国交を持つ国
農漁業が主要な産業ですが、自給自足的な面が強く、天然資源に乏しい国で、外国漁船の入漁料が国家財政の大きな収入源になっています。
サンゴ礁の国土は農地に適さず、タロイモやバナナが栽培されますが、大潮の際には浸水による塩害が発生します。
外交方針は「平和愛好国とのみ国交を持つ」で、オーストラリア、ニュージーランド及び周辺の島嶼国との友好関係を構築し、台湾との外交関係も有しています。
軍隊を持ちません。また、政党も存在せず、誰を首相として推すかにより派閥が形成されます。
ツバル
面積:26㎢ 首都:フナフティ
人口:1.1万 通貨:オーストラリア・ドル
言語:ツバル語(公用語)、英語、キリバス語
宗教:プロテスタント92.4%
(注)『2022 データブックオブ・ザ・ワールド』(二宮書店)、CIA The World Factbook(2022年2月時点)を参照
(本稿は、『読むだけで世界地図が頭に入る本』から抜粋・編集したものです。)