バチェラーが語る「嫌われない人付き合い」のコツ

3月に『起業家の思考法 「別解力」で圧倒的成果を生む問題発見・解決・実践の技法』を出版した株式会社じげん代表取締役社長の平尾丈氏。25歳で社長、30歳でマザーズ上場、35歳で東証一部へ上場し、創業以来12期連続で増収増益を達成した気鋭の起業家だ。
そんな平尾氏と対談するのは、2021年11月から12月にAmazon Prime Videoで配信された婚活サバイバル番組「バチェラー・ジャパン　シーズン4」にバチェラーとして参加した黄皓氏。甘いマスクと穏やかな語り口、そして真摯な態度で女性の共感を呼んだ。黄氏は2020年10月にも「バチェロレッテ・ジャパン　シーズン1」に参加し、ファイナルステージまで勝ち残った過去がある。
1986年に中国で生まれた黄氏は10代で来日、早稲田大学商学部卒業後の2009年に三菱商事に入社する。7年間在籍した後、2016年に退職。同じ年に父親が経営する会社に入社すると同時に、通い放題パーソナルジム「KARADA BESTA」を運営する「RILISIST」も立ち上げる。2020年には「ミラーフィット株式会社」を起業し、現在は3社の代表を務める起業家としても注目されている。
不確実性が高く、前例や正攻法に頼れない時代。時代の先端を走るおふたりに「起業家の思考法」について語っていただいた。
連載第1回は、過去に一度しか会っていないそれぞれの印象から、黄氏の「別解力」に対するスタンスに話が及んだ。それぞれが重視する別解のスタイルとは、いったいどのようなものだろうか。
（写真　株式会社じげん・津田咲　構成　新田匡央）

バチェラーと起業家が融合している

――今日は平尾さんの『起業家の思考法』の発売を記念した対談ということで、まずは黄さんの「別解力」についてお話を進めていただければと思います。ところで黄さん、この本はお読みいただけましたか……？

黄皓（以下、黄）：もちろんです！

平尾丈（以下、平尾）：ありがとうございます。

黄：いやいや。でも本当にすごく勉強になって、当てはまるところもあって、自分でも「俺って別解力がある人だ」と思いました。

平尾：間違いないですね。そう思います。

――ありがとうございます。ところで、そもそも黄さんと平尾さんとのつながりはどのようなものなんですか。

平尾：実は、まだ知り合って間もないんですよ。

黄：そうなんです。

平尾：もともとICC（国内最大級のスタートアップカンファレンス）にいらしていたのは知っていましたが、ベンチャーの会合に黄さんもいらっしゃったときが初対面でした。業態がまったく違うのでなかなか接点はなかったものの、バチェラーでの爽やかな一面と、起業家の情熱的な一面というふたつの顔がうまく融合しているという印象でしたね。

お話や振る舞いを見ても、考え方や価値観がしっかりされていると感じます。おそらく、日ごろから多くのことを全力で考えている方だと想像しました。

黄：あの平尾丈に褒められていますよ！（笑）

平尾：先ほど「別解力がある」というお話がありましたが、黄さんは商社のときの意思決定や、起業された後の意思決定など、一度決めたらへこたれずに走り切るガッツのある方で、「実現力」も高い方なのかもしれませんね。そんなところも今日はお聞きしたいです。

黄：商社を辞めたとき、ベンチャーをやるとはまったく考えていませんでした。でも、オーナー企業として小さくやっていたときから、実は丈さんのお名前は存じ上げていたんです。私たちのようなベンチャー界隈の人間は、少なくとも「じげん」「平尾丈」という単語だけは知っています。それに、お名前の響きがどこか「イカツイ」じゃないですか。

平尾：えー、そうですか？

黄：会社名もインパクトがある。実際にお会いしてイメージが違ったのは、物腰が柔らかかった（笑）。

平尾：そう。なぜか先入観を持たれやすいんですよ。

黄：クレバーで、超がつくほどストイックな方なので、中途半端な人を嫌うイメージはありますね。自分に自信がない人、自分を取り繕っている人は、丈さんの前に立つと自信を打ち砕かれるんです。見透かされているようで。

平尾：なるほど。会うと優しいんですけどね。

黄：そう、優しい。会合のときから印象がガラッと変わりました。