米連邦準備制度理事会(FRB)はインフレ抑制で後手に回っているかもしれないが、セントルイス地区連銀のジェームズ・ブラード総裁は当局者の中でも積極的な措置を求める代表格になっている。ブラード氏はFRBのバランスシート縮小の取り組みを強化する必要性を最初に提唱した当局者の一人だ。バランスシートは景気刺激策の一環として大きく膨らんでいた。同氏はまた、ここ40年ほとんどみられなかったような最悪のインフレに対応するため、公然と利上げを求める当局者の先頭に立ってきた。そのタカ派的な立ち位置から、ブラード氏は3月の連邦公開市場委員会(FOMC)でフェデラルファンド(FF)金利の誘導目標レンジを0.25~0.50%に引き上げる案に反対票を投じたほどだ。同氏は金融政策を迅速に正常化させるため、0.5ポイントの引き上げを支持した。議事要旨では、ロシアのウクライナ軍事侵攻による不確実性がなければ、他の当局者もブラード氏に同調していた可能性が示唆された。