中国の電気自動車(EV)業界を先導する比亜迪(BYD)は、原材料コストの高騰という逆風を受けながらも、なお快進撃を続けている。著名投資家ウォーレン・バフェット氏が支援するBYDは28日、直近四半期の堅調な決算を発表した。低迷しているスマートフォン部門を除く中核事業の純利益は前期比38%増加し、前年同期の赤字から回復を遂げた。中国でのEV販売が好調を維持する中、自動車販売台数は前年のほぼ3倍に達した。利益率はわずかに低下したものの、予想は上回った。米EV大手テスラのイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)は今月、EV用バッテリーの主要原料であるリチウムの価格が常軌を逸した水準に達しているとツイートした。中国のバッテリーメーカー、寧徳時代新能源科技(コンテンポラリー・アンペレックス・テクノロジー、CATL)は今月、コスト上昇で利幅が損なわれる恐れがあるとの見方を示し、株式が売りを浴びた。だがBYDは、バッテリーの内製化という垂直統合型のビジネスモデルが奏功し、同業他社よりもうまく混乱を切り抜けることができたようだ。同社はまた、コスト上昇の一部を相殺するため値上げを実施し、これまでのところ、顧客は値上げを受け入れているようだ。