その米国人教官は、教室の黒板にロシアの戦車「T-72」の概観と周辺の状況を丁寧に描き、自らが今月、対戦車ミサイル「ジャベリン」で戦車を待ち伏せ攻撃した際の様子を説明した。彼はウクライナ人生徒の間では、単に「テキサス」と呼ばれている。教官は次に、ミサイル本体と発射管制ユニットを手に取り、数十人のウクライナ人生徒の前で、正しい発射姿勢を取って見せた。もう1人の米国人教官マーク・ヘイワード氏(53)が口を挟み、さまざまな天候や明るさでの操作方法をアドバイスした。ヘイワード氏は米特殊部隊での経験を持つアラスカ出身の退役軍人だ。テキサスは「君たちが歩兵であることは知っている。しかしこの兵器を使う時は、狙撃手のように行動する必要がある。スパイゲームをするのだ」と語った。彼はウクライナ生まれの米国人で、本名はアントン。親類が今もウクライナで暮らしているため、姓は明かしたくないという。「すべては君たちにかかっている。攻撃が成功するかどうか、90%は君たち次第だ。ミサイルの力は10%にすぎない」