企業がこぞって社員の健康増進に取り組むようになってからしばらくたつが、状況はかなり厳しいようだ。取り組みはなされているが、目に見える変化を起こそうとしても、歯がゆい失敗に終わることがほとんどだ。失敗する理由はだいたい分かっている。ウェルビーイング(心身の健康)プログラムはレストランのメニューに載っているカロリー表示に似たところがある。表示はフェットゥチーネ・アルフレードに1日の摂取許容量の2倍の脂肪が含まれていることを理解していない人の役に立つように開発されたものだが、目を通すのは何も言われなくても蒸しブロッコリーを注文しようとしている人だけだ。職場で提供されているスポーツクラブの会員プログラムを利用するのは、既に会員になっている人だろう。