日本企業で加速する
脱ロシアの動き
2月24日にロシアがウクライナに侵攻し、今日ではウクライナ一部地域でロシア通貨ルーブルへの移行が起こるなど、まさにロシア化が進んでいる。戦況ではロシア軍の劣勢も伝えられるが、プーチン大統領の強気の姿勢に変化はなく、中国も基本的には傍観している。
インドやASEAN(シンガポールを除く)、中東など、世界には欧米主導の対ロシア制裁に加わっていない国も非常に多く、同制裁の限界が見え始めているようにも感じられる。そういった一種の抜け道もプーチン大統領の強硬姿勢の背景にあるのだろう。
日本は欧米と同じくロシアへの経済制裁を強化し、最近ではロシア外交官たちを国外追放にするなど厳しい姿勢を貫いている。ロシアも対抗措置として日本外交官たちを追放するなど、日露間でも対抗措置の応酬が激しくなっている。
当然ながら、それによってロシアに進出する日本企業からは撤退、規模縮小の動きが加速しており、最近、ジェトロが発表した調査でも半数近くの企業が脱ロシアの意向を示した。
また、世界的な原油や小麦の価格高騰もあり、ロシアによるウクライナ侵攻で影響が及んでいると回答する日本企業も増加しており、その長期化によってさらに影響が拡大する恐れがある。
このような不安定で先行きが不透明な世界情勢の中、日本企業はそれをどう捉えるべきだろうか。