トヨタPhoto:Diamond

コロナ禍から企業が復活するのは一体、いつになるのだろうか。上場100社超、30業界を上回る月次業績データをつぶさに見ると、企業の再起力において明暗がはっきりと分かれている。前年同期と比べた月次業績データの推移を基に、「嵐」から「快晴」まで6つの天気図で各社がいま置かれた状況を明らかにする連載「コロナで明暗!【月次版】業界天気図」。今回は、1〜3月度の自動車編だ。

トヨタ決算発表は「過去最高」連発も
半導体不足で苦難は続く?

 自動車の主要5社が発表した2022年1〜3月度の月次業績データは、以下の結果となった。

◯トヨタ(トヨタ自動車)のトヨタ国内販売台数
 1月度:前年同月比86.7%(13.3%減)
 2月度:同74.0%(26.0%減)
 3月度:同85.6%(14.4%減)

◯ホンダ(本田技研工業)の国内自動車販売台数
 1月度:前年同月比100.6%(0.6%増)
 2月度:同97.9%(2.1%減)
 3月度:同91.8%(8.2%減)

◯日産(日産自動車)の国内販売台数
 1月度:前年同月比72.1%(27.9%減)
 2月度:同87.2%(12.8%減)
 3月度:同93.1%(6.9%減)

◯スズキの国内販売台数
 1月度:前年同月比80.5%(19.5%減)
 2月度:同74.7%(25.3%減)
 3月度:同76.3%(23.7%減)

◯マツダの国内販売台数
 1月度:前年同月比83.5%(16.5%減)
 2月度:同102.5%(2.5%増)
 3月度:同77.2%(22.8%減)

 5月11日、トヨタは22年3月期の通期決算を発表。売上高31兆3795億円、営業利益2兆9956億円、純利益2兆8501億円と、過去最高ラッシュの業績をたたき出した。しかし、トヨタは日産、スズキと共に3カ月全てで前年割れとなっている。次ページで、半導体不足による難局が続いている状況を詳しく見てみよう。

 また、ホンダとマツダはそれぞれ1カ月だけ増加の月があったものの小幅にとどまっており、自動車業界全体で苦境が続いていることが分かる。

 直近3カ月の実績を見ると、2桁減少の月が唯一ないホンダが比較的“軽傷”のように見えるが、過去2年分のデータを見ると、決してそうではない実情が明らかになる。これについても次ページで詳しく解説しよう。