ダイヤモンド決算報#製鉄Photo:PIXTA

コロナ禍が3年目に突入し、多くの業界や企業のビジネスをいまだに揺さぶり続けている。その対応力の差によって企業の業績は、勝ち組と負け組の格差が拡大している。そこで、上場企業が発表した直近四半期の決算における売上高を前年同期と比べ、各業界の主要企業が置かれた状況を分析した。今回は日本製鉄、住友金属鉱山などの「製鉄/金属製品」業界6社について解説する。(ダイヤモンド編集部 笠原里穂)

製鉄/金属製品6社は
いずれも2ケタ増収

 企業の決算データを基に「直近四半期の業績」に焦点を当て、前年同期比で増収率を算出した。今回の対象は以下の製鉄/金属製品業界の6社。対象期間は21年10~12月期としている。

 各社の増収率は以下の通りだった。

・日本製鉄
 増収率:47.3%(四半期の売上収益1兆7785億円)
・住友金属鉱山
 増収率:30.6%(四半期の売上高3245億円)
・ミネベアミツミ
 増収率:10.4%(四半期の売上高3043億円)
・日立金属
 増収率:16.9%(四半期の売上収益2345億円)
・JFEホールディングス
 増収率:39.7%(四半期の売上収益1兆1544億円)
・神戸製鋼
 増収率:17.9%(四半期の売上高5126億円)

※神戸製鋼は収益認識に関する会計方針の変更を行っているが、当社の開示方法に準じて、前年同期の売上高と増収率には同変更を遡及適応していない。

 製鉄/金属製品の主要企業6社はいずれも前年同期比で2ケタ増収となった。中でも、日本製鉄は前年同期比で4割超の大幅増収となっている。この要因は何だったのか。

 次ページ以降では、各社の増収率の推移を紹介するとともに、日本製鉄の増収要因について解説する。