株式投資について学び始めた京大生が、経済の行方やマーケットについて、伝説のファンドマネジャーといわれる林則行氏(アブダビ投資庁の元ファンドマネジャー)に指南を受けた。そのやりとりを1冊の本にまとめたのが『投資初心者の大学生が伝説のファンドマネジャーに聞く 世界が大不況でも資産を増やせるって本当ですか?』だ。今回は同書の刊行を記念して、内容の一部を特別公開!

ウクライナ問題で世界経済はどうなるのでしょうか?Photo: Adobe Stock

世界の経済、景気、
株価に影響はない

ウクライナ問題で世界経済はどうなるのでしょうか?林 則行(はやし・のりゆき)
世界最大の政府系ファンド、アラブ首長国連邦アブダビ投資庁の元ファンドマネジャー。当時、日本人で唯一、中東でオイルマネーを運用した投資のプロ。米国コロンビア大学ビジネススクールにてジム・ロジャーズの薫陶を受ける。米国公認会計士。著書に『伝説のファンドマネージャーが教える株の公式』『伝説のファンドマネージャーが実践する株の絶対法則』(共にダイヤモンド社)、『金はこれから2倍になる』『伝説のファンドマネジャーが教える 図解 株の暴落サインを見抜く方法』(共に宝島社)などがある。

佐藤隆太郎(以下、佐藤) ロシアがウクライナに侵攻し、世界は動乱の時代に入ったように思います。このことは世界の経済、景気や株価にどのような影響を及ぼすのでしょうか?

林則行(以下、林) ウクライナの方々には申し訳ないのですが、絶好のタイミングで戦争が起きました。好例が目の前にあるときのほうが理解しやすいです。ここで投資の大原則をお伝えします。

 テレビで惨状を見ると、「これからどうなってしまうのだろう」と不安な気持ちになりますよね。ただし、それは個人の感情であって、投資の世界は感情を離れたもっと冷静な動き方をします。はっきりいうと、世界の経済、景気や株価には影響がありません。大原則は、「戦争の開始や動乱の時代への突入は、投資には一切影響しない」となります。

佐藤 ウクライナ問題はこれほど大きな社会的な事件なのに、影響がないというのは信じられませんが。