トヨタ自動車と日産自動車は今後の道筋について、米国の自動車メーカーより多くの警鐘を鳴らしている。だが、それは誤解を生みかねない。日本勢は実のところ、米国勢よりうまく乗り切れるかもしれないからだ。日産は2023年3月期の営業利益が2500億円になるとの見通しを示した。これは22年3月期とほぼ同水準だ。ファクトセットによると、足元のアナリスト予想は3160億円となっており、引き下げられる可能性がある。日産は12日の取引終了後に決算を発表した。日産の43%を保有するフランスの自動車大手ルノーは、欧州市場の取引で約7%下落した。トヨタも11日、同様に弱気の見通しを示し、株売りにさらされた。両社とも、資源価格の上昇による原材料の逆風に盛んに言及していた。これは米自動車メーカーの決算でも主題となったが、違いもある。ゼネラル・モーターズ(GM)とフォードは業績見通しの中で、車両の値上げによって痛みを相殺できると示唆した。トヨタと日産の業績予想は、同程度の積極的な値上げは織り込んでいないようだ。