米カリフォルニア州の電力会社は、森林火災による被害を軽減するため人工知能(AI)への投資を加速しているが、AI訓練用の十分なデータを収集するのに苦労している。サザン・カリフォルニア・エジソン、サンディエゴ・ガス・アンド・エレクトリック、PG&Eの各社は、ドローンなどで撮影した画像を利用して、山火事につながる可能性のあるインフラの異常を検出するAIアルゴリズムに期待が持てるとの見方を示している。ただ、人手による検査を補うこうしたアルゴリズムを各社のインフラ全体で大規模展開するのに十分なデータを収集するには、何年もかかる見込みだ。こうした状況は膨大なデータセットに容易にアクセスできない隙間産業に共通する問題だと、「Rebooting AI(AI再起動)」の共著者であるゲーリー・マーカス氏は指摘する。AIが有効な昨今の事例は、一般的にデータで徹底的に訓練するからこそ機能しているという。
AIで山火事対策、米電力会社の課題は
カリフォルニアの各社、AI訓練用データの収集に苦労
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