アルゴリズム型ステーブルコインは、新奇な発想で考案されたものかもしれないが、旧来の問題を回避することはできなかった。アルゴリズム型ステーブルコインで最大なのが(あるいは、最大だったと言った方がいいかもしれない)、「テラUSD」だ。ステーブルコインとは、常に1米ドルの価値を持つよう設計された、ドル紙幣に代わる有用なデジタル通貨を指す。アルゴリズム型のステーブルコインは、価値が定まっていない「ルナ」という別のトークンと交換できるようにすることで、ドルとの連動をアルゴリズムによって達成している。テラUSDの価値が1ドルを割り込んだ場合、それを「焼却」(流通から永遠に取り除く)し、1ドル相当のルナと交換できる。その反対もしかりだ。しかし、この仕組みが明らかに崩壊し、テラUSDは1ドルの価値を持たなくなった。現在は40セント程度の価値しかない。