ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は北大西洋条約機構(NATO)を分断し、弱体化することを狙ってウクライナに侵攻した。だが、フィンランドほどプーチン氏のもくろみが裏目に出たところはない。フィンランドがNATOに加盟すれば、プーチン氏にとっては目と鼻の先に極めて高い軍事力を持つNATO加盟国が誕生することになる。ロシアがNATOと接する国境は一気に830マイル(約1300キロ)も加わり、倍以上となる。フィンランドの大統領と首相は15 日、NATOに加盟を申請すると正式に発表した。これは歴史的な方針転換だ。フィンランドは過去70年にわたり、独自の安全保障体制を整えてきた。強力な軍を築き、社会を侵攻に備えさせる一方で、NATO加盟を見送ることでロシアの不安払拭(ふっしょく)を図りつつ、対話を探ってきた。
プーチン氏の誤算、フィンランドNATO加盟決断
70年の中立主義を捨てたフィンランド、ウクライナ侵攻が過去の記憶呼び起こす
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