投資家は長い間、一つの夢を見ていた。資産価格が過度に下がれば米連邦準備制度理事会(FRB)が必ず低金利資金を市場に大量供給するという夢だ。今年に入り、この夢は悪夢と化した。FRBがインフレ抑制に全力で乗り出し、金利上昇の恐れから米国株の時価総額は10兆ドル(約1291兆円)減少した。債券も打撃を受け、リターンは1842年以来最悪となった。このような相場は投資家がこの数年やってきたようなやり方では切り抜けることはできないだろう。押し目買い――株価の急速な回復を信じて値下がりする株を買うこと――はかつては喜びに近かったが、これから痛みをもたらすことになるだろう。画面を指で何回かスワイプしたり、マウスをクリックしたりして金持ちになることもあきらめなければならない。そんな時代はもう過去のものだ。それでも規律、忍耐、勇気のある投資家が最後に勝つだろう。