筆者は新型コロナウイルス感染でひどい状態となり、市場から28営業日離れた後に戻ってみると、差し迫ったリセッション(景気後退)の新たな物語が急速に定着しつつあることが分かった。しかし市場自体を見ると、18日の急落後でさえ、この物語は資産価格にはあまり反映されていない。資産価格は依然として米連邦準備制度理事会(FRB)の恩恵を受けている。これはリスクと機会の両方を生み出す。朗報から始めよう。例えば、金融政策に敏感な資産の価格は大幅に下落した。本当に大幅だ。将来の貨幣価値に最も影響されやすい債券である2120年償還のオーストリア国債(クーポンは0.85%)は、2020年に付けた高値から60%下落している。株式ファンドへの投資でこれに相当するのはキャシー・ウッド氏のアーク・イノベーション上場投資信託(ETF)で、組み込まれた大半の銘柄から利益を得られる時期が遠い将来に設定されている。このETFは高値から70%超急落している。
近づく景気後退のメッセージ、市場に届かず
株式と債券、大きなリスク反映せず
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