中国・李克強首相のマスクなし視察に、中国の世界遺産再訪の期待膨らむPhoto:ViewStock/gettyimages

マスクを外して視察する李首相の姿に見えた希望

「ゼロコロナ政策」をかたくなに進めている中国から、興味深い動画が送られてきた。

 5月18日、李克強首相が雲南大学や少数民族の村などを視察する光景が記録されたものだ。

 複数の動画があり、中でも雲南大学視察時の動画を見て、私は驚いた。李首相を迎えた大学側にも地方視察にやってきた李首相一行にも、マスクをつけた人が一人もいなかったからだ。

 コロナ禍で、中国の高官が視察する時、現地の大衆との間には厳しい隔離距離が取られてきた。しかし、李首相と大学関係者はゼロ距離と言ってもいいほどの環境の中で会話していた。

 これらの動画を見て、2年半も続いてきた新型コロナウイルスの感染拡大阻止作戦も、いよいよ終盤段階に入ったと感じた。長いトンネルの先に一縷(いちる)の光が差しこんできたのを見たような心境だ。

 私も、海外からの訪問者に対する数週間にも及ぶ隔離期間が撤廃されたら、いち早く中国へ飛んで再訪したいと思っている場所がある。湖北省の神農架という、世界遺産にも登録されている省直轄の林区だ。ここで作家で友人の古清生さんが有機茶園を経営しているのだ。