投資家が高リスク取引から一斉に資金を引き揚げる中、特別買収目的会社(SPAC)が窮地に立たされている。合併先企業を確保する期限が迫り、SPAC設立者が合併を実現できず多額の損失を負う可能性が高まっている。SPACとの合併を通じて上場した企業の株価は最近、ハイテク株や暗号資産(仮想通貨)と共に大きく値下がりしている。サプライチェーン(供給網)の混乱やハイテク業界への逆風は、高インフレや金利上昇への懸念も相まって多くの新興企業に打撃を与えている。SPAC合併企業に連動する上場投資信託(ETF)は年初来で約30%安と、市場全体よりも大幅に下げている。オンラインスポーツ賭博運営会社ドラフトキングスやオンライン融資仲介会社ソーファイ・テクノロジーズなど、かつて人気を集めた銘柄の一部は50%以上の下げとなっている。ベンチャーキャピタリストのチャマス・パリハピティヤ氏といった著名なSPAC設立者が上場させた企業でさえ急落している。