【こんまり×佐々木圭一】なぜ海外で「日本のメソッド」が爆発的に支持されたのか？

日本のビジネス書が、海外で脚光をあびている。ベストセラー『伝え方が9割』、は日本でも単独でも100万部を突破したのだが、なんと中国でもシリーズの『伝え方が9割②』が100万部を突破！『まんがでわかる伝え方が9割』『まんがでわかる伝え方が9割　強いコトバ』と併せて日本、中国などアジアで、シリーズ250万部を突破している。日本と中国のダブルでのミリオンを記念して、著者の佐々木圭一さんとの特別対談に応じてくださったのは『人生がときめく片づけの魔法』などの著者「こんまり」こと近藤麻理恵さん。著書は世界40カ国以上で1300万部を超え、ネットフリックスの190カ国で放映される冠番組も持つ。対談の第2話は「なぜ海外で日本のメソッドが支持されたか」。（構成・上阪徹　撮影・小原孝博　ヘアメイク・Kanako Io）

中国でもミリオンセラー達成!!

佐々木圭一（以下、佐々木）　『人生がときめく片づけの魔法』はまず日本でミリオンセラーになるわけですが、本がどんどん売れていくプロセスを、こんまりさんはどう受け止めていたんですか。

こんまり　私は最初からミリオンセラーを狙って本を書いていたんです。とにかくこの本を多くの方にとどけるために何ができるのか、と思いつく限りのことをすべてやっていったんですね。PR活動もそうでした。数字が積み上がっていくプロセスは、その結果が出ていっているんだな、と思っていました。

　あとは、読者の方の声を聞いていて、ああ本当に片づけが必要とされていたんだな、という思いを強くしました。ミリオンセラーを狙ってはいたんですが、実際の反響の大きさについては、やっぱり私自身もびっくりすることになりましたね。

佐々木　実は僕はまったく違うんです。ぜんぜんミリオンセラーとか狙っていなくて。本が出たばかりの頃は、僕はまだ会社員で、5万部を目指していました。それこそ、5万部に達したら独立しよう、と。

　でも、5万部ってハードルけっこう高いわけですよね。新刊は毎日200冊とか、300冊とか出てくるのが出版の世界です。それこそ重版がかかる本だって、1割とか2割しかない。そんな中で5万部って、とんでもないことだと思っていました。そこに入れるのかというと、まず入れないだろう、と。

　ところが、3カ月くらいで30万部くらいまで行ってしまって、ちょっとびっくりして。あれ、あれあれ、なんだこれは、みたいな。自分で書いた本なのに、自分で書いた本じゃないような気分になりました。

こんまり　それはわかりますね。びっくりするくらい売れていくと、自分で書いたはずなんだけど、そうじゃない本みたいな感じになって。わかる、わかります。

佐々木　どんなに売れても、100万部まで達成するのは、さすがにないなと思っていました。でも、70万部まで行ったら、その勢いで100万部まで行く、という話を聞いて。最も興奮したのは、70万部行ったときだったんです。

　それで70万部を達成したとき、「あ、これは行くかも！」と思ったんです。まさか自分の人生で、そんなことが起こり得るのか、と思いましたけど。

　僕のおじいちゃんは島根県の漁港で「佐々木文栄堂」という書店を開いていました。もう亡くなって書店も閉めてしまったんですが、小さい頃からその本屋にはよく行っていました。基本、マンガ本なんですけど、欲しい本は何でもあげる、と言われていて。小学校の5年生のとき、ちょっと手伝ってほしいと言われたことがあって。おじいちゃんが車の運転を自分でして、本の配送をしていくのですが、そのお手伝いをしたんですね。それこそ10冊くらいの本を持って配送するとき、「本って、こんなに重いのか」と思ったんです。

　それこそ10冊でもあれだけ思ったのに、100万部ってどれだけ重いのかな、と。心で重みを感じております。

こんまり　それが、中国でもミリオン達成ですものね。