【ダボス(スイス)】当地で開催中の世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議)で企業経営者らの間におおむね悲観的なムードが漂うなど、このところ景気後退への懸念が強まっている。
データ分析の米パランティア・テクノロジーズのアレックス・カープ最高経営責任者(CEO)は、歩き回って話をすると「(景気が)悪くなると誰もが考えている。だから悪化するだろう」と語った。ただ、CEOたちの悲観度には差があるとした。
ホテルチェーン世界最大手マリオット・インターナショナルのアンソニー・カプアノCEOは「リセッションを回避するのは難しいだろう」とし、「猛スピードでリセッションに向かっているという声が時間を追うごとに大きくなっている。時間がたってみなければ分からないが、確かにその方向に向かっているように思われる」と語った。
先行きについてより明るい見方をしている経営者もいる。IBMのアービンド・クリシュナCEOは「私は軽め(の景気悪化)を予測している」とした上で「西欧での景気鈍化を予想しているだろうか?まだだ」と話した。その一方で、意思決定に慎重になっている取引先もあると語った。