何事もやってみないとわからない

【特別対談 世界一の92歳総務課長×ベストセラー作家・本田健】勤続66年の現役課長が教える一生大切にしたいひと言本田健(ほんだ・けん)
作家
経営コンサルタント、投資家を経て、29歳で育児セミリタイヤ生活に入る。4年の育児生活中に作家になるビジョンを得て、執筆活動をスタート。「本田健の人生相談~Dear Ken~」は5000万ダウンロードを記録。著書は200冊以上、累計発行部数は800万部を突破。2019年には初の英語での書き下ろしの著書『happy money』を刊行し、すでに世界40ヵ国以上で発売されている。2022年6月15日、『まんが 大富豪からの手紙』(ダイヤモンド社)を刊行する。

玉置:一つは好奇心ですね。先ほども言いましたように、私は何事も「自分が主人公」という考え方を持って、なんでもやってやろうと思っています。会社も、そういうことを奨励してくれる会社なんです。

亡くなった創業者さんが、「水が冷たいか温かいかは、飲んでみないとわからないよ」と、いつもおっしゃっていました。そんなふうに、何事も自分がやってみないとわからないよ、と言われながら指導を受けてきたんです。大阪弁で何か変わったことがあれば飛びついていくことを「いっちょかみ(一丁噛み)」と言うんですが、いっちょかみ精神が結果を引っ張ってきてくれたんじゃないですかね。

本田:興味深いお話です。この本に「仕事ほど人を成長させるものはないと書いてありますが、玉置さんは66年ずっと成長し続けられているということですね。

「昨日より今日は絶対成長してる」

玉置:「仕事を自分のものにできている」ということが成長だと思うんです。誰かに言われてやる仕事は「やったら終わり」という感じですが、自分のものにしようとすれば、書き残したり、記録を取ったり、いろいろするんですよ。

私は書き留めることが好きなので、いろいろな記録が残っていきます。それを見ていると、「この仕事も自分でちゃんとこなせたな、成長したな」と思えます。「昨日より今日は絶対成長してるんや」と、いつも思ってます。

本田:続いているということが、すごいですね。「今日頑張れたら明日も頑張れる」というのも素敵な言葉だと思いました。

玉置:「今日を生きる、今を生きる」というのは、皆さん、耳にタコができるぐらい、いろいろな書物でお読みになっていらっしゃると思うんですけど、今を生きるということは、明日につながっているわけです。

今日やったことは、絶対明日につながるんだから、今日成功すれば、明日はそれ以上のことができるはず。今日が良ければ、明日はそれ以上絶対良くなるというのが、毎日の考え方なんです。

※本稿は『92 総務課長の教え』(ダイヤモンド社)の刊行を記念しての特別対談です。