「仕事がおもしろくない」「上司にうんざり」「もう会社を辞めたい!」
そんな思いが少しでもあるなら参考にしたいのが、92歳にして、現役総務課長としてバリバリ働いている玉置泰子さんの著書『92歳 総務課長の教え』(ダイヤモンド社)だ。ベストセラー作家・本田健氏も絶賛する泰子さんの教えは、新入社員からベテラン社員まで即役立つ、説得力あふれる教訓と箴言が満載。「世界最高齢の総務部員」として、ギネス世界記録に認定された泰子さんが、長く幸せに働く63の秘訣を手とり足とり教えてくれる。
(初出:2022年5月24日 ※初出時より再構成いたしました)

【92歳の現役総務課長が教える】ミスの多い「仕事が遅い人」が自覚すべき、1つのポイント【書籍オンライン編集部セレクション】イラスト:鳴田小夜子(KOGUMA OFFICE)

「前工程」「後工程」を意識せよ

どんな仕事にも、締め切りがあります。ビジネスをとり巻く環境がめまぐるしく変わっている現代では、昔と比べると締め切りも早まり、スピード感を持って仕事にとり組まないと、満足にこなせないような状況になっています。

単発のように思える仕事であっても、陸上競技の駅伝やリレーのように、一連の流れのなかにあります。担当する仕事には、「前工程」「後工程」があるのです。

締め切りに間に合わないと、後工程の仕事に響き、迷惑をかけることになります。それがドミノ倒しのように悪い影響を与えて、最終的にお客様の迷惑にもなりかねません。

その仕事、
誰かの役に立っているか?

私の会社では「その仕事、誰かの役に立っているか?」という創業者の信念が受け継がれていますが、これには「前工程」の努力を無駄にせず、「後工程」によい形でバトンを渡すという意味も込められていると、私は解釈しています。

若手社員には、私が仕事を頼むと「はい、わかりました」と返事をして、締め切りの確認をしない人もいます。仕事を依頼されたら、必ず締め切りを確かめる癖をつけましょう。

締め切りを確かめたら、そこから逆算してスケジュール管理をするのです。優先しなくてはならないのは、プライベートも含めた自分の都合ではなく、組織の全員が共有している締め切りです。

ルーティンワークから
予測を立てる

私たちの仕事の多くはルーティンワーク、つまり定型的な仕事が大半を占めているのが実態です。

ルーティンワークに関しては、過去の経験から「この仕事には、このくらいの時間がかかる」ということが、だいたいわかります。

すると、「今回はおおよそ2倍の仕事量だから、おそらく2倍程度の時間がかかるだろう」などという予測が立てられます。

スムーズな仕事には
業務日誌が欠かせない

スケジュール管理をスムーズに進めるためにも、私は業務日誌をつけるようにしています。業務日誌をつけていなかったら、どの仕事にどれほどの時間を要するかがわからないので、スケジュール管理が難しくなるからです。

締め切りと所要時間から、必要に応じて月単位・週単位・日単位のスケジュールに落とし込み、それをカレンダーや進行帳に書き留めます。

パソコンやスマホのスケジュールアプリを使えば、チーム全体でスケジュールを共有できますから、便利で間違いがありません。

つねに仕事は
前倒しを心がける

留意したいのは、つねに前倒しを心がけ、納期ギリギリにこなそうとしないこと。

自分を過信して、納期ギリギリに仕事をしようとすると、ミスにつながりますし、納期までに間に合わないケースも出てきます。

ミスが起こると、それをとり返すために不要な時間を費やしますから、なおさら納期に遅れてしまいます。そうした事態を避けるために、スケジュールには十分な余裕を持ち、前倒しで仕事を進めるようにしているのです。

問題は隠さないで
早め早めに相談

また、自分の許容量以上の仕事を抱えてパンクしそうなときは、締め切りの間際になって「やっぱりできませんでした」と泣きつくことのないようにすることが大事です。

これも前倒しで、なるべく早めに上司に現状を話して相談します。

そうすれば上司はサポート役をつけたり、抱えている仕事の一部をほかの人に割り振ったりして対応してくれるでしょう。

本稿は、『92歳 総務課長の教え』(ダイヤモンド社)より一部を抜粋・編集したものです