石油輸出国機構(OPEC)と非加盟の主要産油国で構成する「OPECプラス」がようやく増産目標の引き上げで合意した。これまで数カ月にわたり消費国からの増産要請を一貫して退けていたが、軌道修正した。だが、今回の合意における真の勝者は自動車の運転手ではなく、サウジアラビアだろう。OPECプラスは2日、7月と8月に生産量を日量64万8000バレル増やすことで合意。これまで毎月日量43万2000バレルで進めていた増産ペースを引き上げた。しかしながら、ロシアの産油量はウクライナへの侵攻を開始した2月下旬以降、減少傾向にある。国際エネルギー機関(IEA)のデータによると、世界有数の原油輸出国ロシアの4月の産油量は、2月と比較して日量95万バレル減った。欧州連合(EU)は今週、海上輸送するロシア産石油と精製燃料の輸入を禁止する決定を下している。