ホルムズ海峡封鎖で世界不況の恐れ…オイルショックで稲盛和夫が下した「尊すぎる決断」Photo:JIJI

米国とイスラエルがイランを攻撃し、世界が混乱と経済不安に陥っている。原油価格の高騰が迫り、日本はこれから先厳しい未来が待っているかもしれない。こういう厳しい時代に、経済の神様・稲盛和夫はどうするだろうか。過去のオイルショックの時代に、彼はどう振る舞ったのか。
(イトモス研究所所長 小倉健一)

絶望的な敗者になるしかない日本

 2月28日、米国主導で行われた対イラン軍事作戦。トランプ大統領は「歴史的な勝利」と自賛し、自身の指導力を誇示している。

 この軍事行動によって、イランの最高指導者であるハメネイ師が命を落とした。報復に燃えるイランは、中東の海にあるホルムズ海峡を実質的に封鎖し、行き交う船への攻撃を始めた。中東の熱い砂漠から遠く離れた日本において、毎日の生活の土台が今、音を立てて崩れ落ちようとしている。

 世界で使われる原油の約20%、そして液化天然ガスの約20%がホルムズ海峡を通って運ばれている。米国エネルギー情報局(EIA)によると、2024年のホルムズ海峡通過原油・凝縮油の84%がアジア市場向けで、中国、インド、日本、韓国が主要目的地として全体の69%を占めている。

 また、資源エネルギー庁によれば、日本で使う原油の90%以上、液化天然ガスの6%が中東から海を渡って運ばれてくる。エネルギーの通り道が完全に塞がれる事態は、世界経済、特に資源のない日本にとって大きな危機だ。

 日本の海運大手である日本郵船、商船三井、川崎汽船は海峡を通ることを停止した。代わりにアフリカ大陸を大きく迂回する遠いルートを探しているが、船の旅が長くなれば運送費用は一気に跳ね上がる。

 カタールやサウジアラビアのガス輸出が止まってしまったが、日本の液化天然ガスの在庫はわずか3週間分しかない。急いで高く買えば料金が上がり、最悪の場合は広範囲で停電が起きる危険すらある。