書店で一番売れているETF本の最新版『改訂新版 ETFはこの7本を買いなさい』(朝倉智也著)が、2月16日に発売。投資先進国米国で、ほぼ毎年のように2桁成長を続けている注目の金融商品ETF(上場投資信託)。現在の純資産残高は約683兆円。一方、日本のETFの市場規模は2021年4月末で約60兆円。しかし、日本でもETFを投資の選択肢に入れる人が着実に増えている。特に注目度が高まっているのが海外ETFだ。(1)低コスト、(2)機動的な取引ができる、(3)分配金を受け取りながら運用できる、(4)究極の分散投資ができる、など多くのメリットがあるETF。本連載では、長期投資やETFに興味がある人に向けて、そもそもETFとは何か、その賢い選び方・買い方、資産運用としてのETFとの付き合い方などについて、同書から一部を抜粋して公開する。
「スタンダード運用タイプ」のポートフォリオとは
それでは、厳選した7本のETFでポートフォリオをつくってみましょう。
まず「スタンダード運用タイプ」のポートフォリオから見ていきます。
復習すると、「株式6割、債券4割」をベースとして、「日本を含む先進国株式40%、新興国株式20%」「先進国債券30%」「新興国債券10%」という比率で組み合わせるのでしたね。
この比率に近づけるために、7本のETFの組み合わせ方を2通りご提案したいと思います【下図表】。
一つめは、「株式6割」は「バンガード・トータル・ワールド・ストックETF」1本で、「債券4割」は3本のETFを組み合わせて運用するポートフォリオです【下図表(A)】。
1 バンガード・トータル・ワールド・ストックETF……60%
5 バンガード・米国トータル債券市場 ETF……20%
6 バンガード・トータル・インターナショナル債券ETF(米ドルヘッジあり)……10%
7 バンガード・米ドル建て新興国政府債券ETF……10%
このポートフォリオ(A)の場合、「日本を含む先進国株式51.0%、新興国株式9.0%、先進国債券30%、新興国債券10.0%」になります。
新興国株式の割合が少し低くなりますが、4本のETFを組み合わせるだけで、私が提案する「スタンダード運用タイプ」のポートフォリオを組むことができます。