サウジアラビア政府がイスラエルとの経済関係構築や安全保障に関する新たな合意に向け、本格的な交渉を続けている。サウジ政府は、ユダヤ教徒が大半を占めるイスラエルとの正式な国交樹立に関し、国民の中に支持する動きが広がっていると判断している。サウジは隣国イスラエルを国家として承認しておらず外交関係もないが、イスラエル指導者らと舞台裏で協議を進めてきた。中東地域の政局が大きく変貌し、同地域で最も影響力が高い両国の数十年にわたる対立関係が解消される可能性もある。サウジとイスラエルはバイデン米政権からの支援を受け、サウジ上空の飛行を巡りイスラエル発の商用機の権利を拡大する合意を取りまとめたい意向。また事情に詳しい関係者らによれば、紅海に浮かぶ戦略的に重要な2つの島に関しても、サウジ側が完全に掌握する方法を模索している。