会社売却を模索している東芝の島田太郎最高経営責任者(CEO)は、買い手候補に対し、技術革新を進めるため同社を一つの組織として維持することを求める考えを示した。ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)とのインタビューで語った。買い手となり得る大手プライベートエクイティ(PE)投資会社は通常、買収した企業を切り売りする自由を確保したいと考えるため、島田氏がこうした条件を持ち出せば、売却プロセスが困難になる可能性がある。一部のアナリストは、発電タービンやエレベーター、半導体などの事業は、本体から分離した方が価値が高まる可能性があるとみている。東芝は事業を2分割する計画を株主が拒否したことを受け、4月下旬に会社全体を売却する方針を決めた。これまでに米ベイン・キャピタルなどのPE投資会社が東芝の買収に関心を示している。東芝は先週、8件の買収提案を受けたほか、出資についても2件の提案があったと明らかにしている。