アトゥリャ・ラジャクマールさん(23)は米シアトル郊外で育ち、ダンスを習ったり高校の討論部で競い合ったりしていた。昨年にはテキサス大学オースティン校で学士号を取得した。だが間もなく、故郷と呼ぶこの国を去らなければいけなくなるかもしれない。ラジャクマールさんは5歳のとき、家族とともにインドから米国に移住した。母親がマイクロソフトで働くことになったからだ。ラジャクマールさんの法的地位は12月に失われる。自らインドに向かう以外に選択肢はあまりなさそうだと話す。「インドには支援してくれる体制は整っておらず、インドの言葉は母語ではない。どうしたらいいか途方に暮れている」ラジャクマールさんのように、労働ビザを取得して米国で働く移民の子どもで、21歳になると合法的な居住が危ぶまれる人たちが推定20万人いるとされる。彼女の場合、米政府が家族のグリーンカード(永住権)取得を申請から9年後に承認するまでに、資格対象となる年齢を超えていた。
米移民の成人した子供、退去の危機
労働ビザを持つ人の子女が直面する制度の落とし穴
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