米ニューヨークに拠点を置くタイガー・グローバル・マネジメントは、他の投資会社とは比較にならないほどの勢いでIT(情報技術)ブームに乗った。昨年、市場がピークに達した頃には、米国のどの投資家よりも多くのスタートアップ企業に資金を提供し、シリコンバレーの注目銘柄に投資したいと考える年金基金や寄付基金、富裕層の顧客から数百億ドルの資金を集めていた。ITセクターの株価急落に伴い、その立場は失墜した。数年分の利益がほんの数カ月で吹き飛び、タイガーの大胆な賭けに懐疑的な視線が向けられている。タイガーの躍進を支えた両輪は、主に上場企業の銘柄選びをする株式投資部門と、世界の新興企業に投資するベンチャーキャピタル(VC)部門だ。IT株急騰を背景に両部門ともITセクターの比重を高め、タイガーは2正面でエクスポージャーを抱えることになった。