本書の要点

(1)睡眠がメンタル状態や幸福度に及ぼす影響は、食事や運動よりも強い。良い睡眠を取らないと損をする。
(2)ストレスになるSNSやメールは、朝イチの重要な仕事が終わってからチェックしよう。
(3)睡眠に困っている人の根本的な問題は「仕事モード(緊張モード)のスイッチが切れていないこと」にある。スイッチオフには入浴が効果的だ。
(4)ビジネスパーソンの睡眠を調査した研究では、仕事で高い成果を出す人は、平日と休日で睡眠時間や起きる時間の差が少ないことがわかっている。

要約本文

◆ビジネスパーソンが「快眠」すべき理由
◇睡眠のメリット

 仕事で成果を上げたいなら、「快眠であること」は重要だ。理由は3つある。

 まず、睡眠がメンタル状態や幸福度に及ぼす影響は、食事や運動よりも強いからだ。睡眠が十分取れていないと気分が落ち込み、幸福度は劇的に下がる。

 次に、仕事のパフォーマンスが上がるからだ。コンピュータが単純な作業をこなしてくれるようになった今、人が関わる仕事として残るのは「頭がクリアな状態」「眠気のない集中できる状態」「イライラしていない穏やかな状態」でないとできない仕事だ。ビジネスパーソンとして成果を出し、これからの時代を生き残るには、よい睡眠を確保して高いパフォーマンスを発揮する必要がある。

 最後に、睡眠不調は、コミュニケーションや人間関係に悪影響を与えかねないからだ。質のよい睡眠がとれていないと、ちょっとしたことでイライラしたり、応対がいい加減になったりする。研究では、睡眠不調の人に対して、周りのメンバーの「関わりたい」度合いが下がることや、チームのエンゲージメントが低下することがわかっている。