「仕事がおもしろくない」「上司にうんざり」「もう会社を辞めたい!」
そんな思いが少しでもあるなら参考にしたいのが、92歳にして、現役総務課長としてバリバリ働いている玉置泰子さんの著書『92歳 総務課長の教え』だ。
ベストセラー作家・本田健氏も絶賛する泰子さんの教えは、新入社員からベテラン社員まで即役立つ、説得力あふれる教訓が満載。壁を超えたら人生で一番幸せな20年が待っていると説く『80歳の壁』が話題になっている今、「世界最高齢の総務部員」としてギネス世界記録に認定された泰子さんが教えてくれる、長く幸せに働く63の秘訣は必読である。
※本稿は、『92歳 総務課長の教え』より一部を抜粋・編集したものです。
燃えるような情熱を持ち続ける
1930(昭和5)年5月15日生まれ。商業高校を卒業後、25歳で三興鋲螺(現・サンコーインダストリー)に入社。以来66年にわたり、経理や庶務の業務を担ってきた。現会長より11歳年上で勤続年数も長いことから、同社の歴史を知る語り部として新人研修の担当もしている。2020年11月「世界最高齢の総務部員」としてギネス世界記録に認定される。2022年5月、初の著書『92歳 総務課長の教え』を上梓すると、3週連続で増刷を重ねるなど大反響となる。
私には、大事にしている言葉があります。それは2003年、阪神タイガースが18年ぶりにセ・リーグ優勝を果たしたときに、「勝ちたいんや」を合言葉に2年目の指揮をとっていた星野仙一監督の言葉です(私がメモした内容ですので、実際の星野監督の発言とは多少ズレているところがあるかもしれません)。
「もっと欲を出したい。力を出し切れていない。私はもっと欲を出したい!」
浪速っ子の私は、根っからの阪神ファンです。50代くらいまでは、仕事が終わってから甲子園球場までよく応援に出かけていました。ところが、私を除いた家族は、なぜか全員巨人ファン。関西人だからといって、在阪球団のファンとは限らないわけです。
会社員にも大切な星野監督の教え
巨人ファンだらけの家族のなかで肩身の狭い思いをしてきた私は、その鬱憤を晴らしてくれるような18年ぶりの優勝が嬉しくてたまりませんでした。一介のファンの私がこの上なく嬉しかったのですから、選手や監督は何百倍も嬉しかったはずです。それでも星野さんは満足することなく、どん欲に燃えるような情熱を表現していたのです。
歓喜の絶頂ですら、上を見続けることを忘れない姿勢に、私の心は激しく揺さぶられました。まして巨人やいまのソフトバンクのような優勝経験の多い球団と違い、たまにしか優勝できない球団を率いる監督の言葉だったからこそ、胸に刺さったのでしょう。
野球だけではありません。どんな状況下であっても、熱いパッションを持ち続ける人は、星野さんのように多くの人を惹きつけるのではないでしょうか。会社員も、熱き情熱を燃やし、どん欲な向上心をストレートに表現できるような人には、応援してくれる人がいて、周囲とのコミュニケーションもおのずと良好になるのだと思うのです。
※本稿は、『92歳 総務課長の教え』より一部を抜粋・編集したものです。