ウクライナ南部にある欧州最大規模のザポリージャ原発をロシア軍が軍事基地化しているため、同原発と数千人の作業員らの安全が脅かされる事態となっている。作業員や住民、ウクライナ当局者らによると、3月にザポリージャ原発を制圧した500人超のロシア兵は、このところ重火器を配備し、原子炉6基の冷却水を収めた貯水池沿いに対人地雷を敷設した。ウクライナ軍は約5キロメートル離れた対岸の町に陣取っているが、原子炉周辺での砲撃戦の危険性を踏まえると、原発への攻撃は一筋縄では行かなそうだ。ザポリージャ原発は新たな兵器の導入によって、事実上ウクライナ軍の反撃から守られている。原発を徐々に軍の駐屯地化するという、原発業界が予想もしなかった事態が現実のものになっている。ロシア軍は原発周辺に日ごとに重火器を配備し支配を固めている。