国際原子力機関(IAEA)のラファエル・グロッシ事務局長は5日、イランによる核関連活動が中東地域での核軍拡競争を招く可能性に加え、ロシアがウクライナ国内の核施設を占拠したことにより核物質が適切に使用されているか同機関が確認できなくなる恐れがあるとし、核を巡るリスクが高まっていると述べた。オーストラリアのキャンベラにあるオーストラリア国立大学(ANU)で講演した同氏は、「世界の核不拡散を決定付ける瞬間を迎えている」と警告。核兵器が拡散するリスクは「誰にとっても問題だ」と続けた。2015年のイラン核合意再建に向けた交渉が停滞し、イランが核開発を強化する中、グロッシ氏は同国による高濃縮ウラン製造などを受け周辺国が核開発プログラムを促進しようとする可能性があるとした。
IAEA事務局長、核のリスク拡大を警告
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