シンガポールのリー・シェンロン首相は、米中の地政学的な競争を独自の視点で観察している。同首相が今年4月に示した見解に、米国民は考えさせられるはずだ。リー氏はウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)の編集委員との会合で、「米国はもはや超大国ではないかもしれないが(中略)世界で最も先進的で、活気に満ち、ダイナミックな経済・社会の一つであり続けるだろう。才能を引きつけ、新たな起業家精神、成長、アイデアを生み出し、自己改革を行うことができる」と語った。だが、リー氏は「しかしそれは普遍的な認識ではない」と続けた。「中国を含む世界の一部地域には、米国のような抑制と均衡を備えた民主主義体制にとって世界があまりに急速に変化しているため、米国には明るい未来がないという強い認識がはっきりとある」と話した。
行き詰まる米民主政治、対中国でも一枚岩ならず
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