「本当にそれで大丈夫?」「こうしたほうがいいんじゃない?」そんなふうに言われてしまうことはありませんか?「なぜいつも、干渉されるんだろう……」と悩んだとき、私たちはどうすればいいのでしょうか?
累計20万部を超えるベストセラー著者、林健太郎氏が執筆した『なぜか干渉される人 思わず干渉してる人 あの人と「いい距離感」を保つコミュニケーション術』から「しんどい相手」が「心地よい人」に変わる、いい距離感を保つためのコミュニケーションを本記事で紹介します。

「好き」と「嫌い」を表明する
職場、学校、サークル、地域、趣味の集まりなど、さまざまな集団の中で「干渉されない人」になる方法についてお話しします。
「好き」「嫌い」という感情の表明には強いインパクトがあります。
干渉してくる相手に対してだけではなく、干渉されない人になるために、属している集団の中で、ふだんから大いに、あなたの「好き」と「嫌い」を表明しましょう。
私は、部下や同業の仲間たちに、常日頃から言っていることがあります。
「私ね、新しいことしかやりたくないんだ」
これは、「好き」の強い表明であり、私のポリシーです。
コーチングの世界に身を置きつつ、時代の変化とともに、できれば時代を「先取り」できるようなコミュニケーションのあり方を提案していきたい、と思っています。
「でも林さん。新しいことをやるのもいいけれど、ビジネスの常識というか、確立されたやり方もあるわけだから、もっと無難なやり方もあるでしょう」
コーチの集まりに行くと、そう干渉してくる方が時々います。
そんなときこそチャンスです。
「いや私、そういうの嫌いなんだよねえ」と、にっこり笑って答えます。
「あなたのためを思って言ったのに」と、相手が不満顔になったとしても、「いらないものはいらないです。だから言わないで」とまたまたにっこり伝えます。
すると、うわさが広まります。「林さんは新しいことしかやりたくないらしいよ」と。
すると、「雑音」が耳に入らなくなります。
つまり、周囲の人々の干渉がやむのです。私のポリシーにずかずかと踏み込んで、考えを変えさせようとしなくなります。
私の活動方針とは違うプロジェクトに誘われることもなくなり、ビジネス上の効率化も進みます。
このように、「好き/嫌い」を伝えることは、あなたのスタンスの表明になります。
「私はこういう人です!」と大演説をぶたなくても、「これが好き」「これは嫌」と言うだけで、端的に伝わるのです。
そして何より大きいのは、「干渉されてもいい領域」と「干渉されたくない領域」の境界線を周囲に伝えられることです。
そのために大切なのは、自分の「好き」と「嫌い」をきちんと切り分けることです。
自分は何が好きで何が嫌いか、日々自分に問い掛け、答えを出しましょう。
(本記事は『なぜか干渉される人 思わず干渉してる人 あの人と「いい距離感」を保つコミュニケーション術』から一部を抜粋・編集して掲載しています)