誰が英国の次の指導者になろうとも、ポンドが道を踏み外すことはなさそうだ。ボリス・ジョンソン英首相は閣僚や与党議員の大量離反を受け、7日に辞意を表明した。ジョンソン政権は新型コロナウイルス対策として自ら定めたロックダウン規則を破るなど、次から次に不祥事が噴出した。6月に行われた信任投票ではジョンソン氏が支持を勝ち取ったものの、同氏が起用したばかりの幹部に性的な不適切行為疑惑が浮上したことで、与党保守党内からも退陣を求める声が一気に高まった。ジョンソン氏の辞任が伝わると、ポンドはドルとユーロに対して上昇。政治的混乱がその国の金融資産にとって値上がり要因になることはめったにないが、ジョンソン政権が窮地に立たされ始めた6月以降は、混乱が起きる度にポンドが買われる傾向が続いていた。値動きはそれほど大きくないものの、投資家心理にとってジョンソン氏の辞任がマイナスよりプラスに働いていることがうかがえる。