深刻化する世界的な食料危機の犠牲となった子どもたちが、名前のない墓に埋葬されている。混雑した栄養失調者用病棟では、病気の子ども1人が退院するのを待って親が次の子どもを連れてくる。母親たちは供給が細る食料市場から手ぶらで帰宅する。市場ではここ数カ月で、主食となる一部の食品価格が2倍に急騰した。ソマリアなど一部の世界最貧国は、過去半世紀で最悪の飢餓緊急事態に苦しんでいる。ロシアのウクライナ侵攻や新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)による経済の混乱を受けて、長引く紛争やますます極端になる異常気象による影響が深刻化している。世界食糧計画(WFP)によると、3月以降の食料と燃料の価格上昇により、さらに4700万人が深刻な食料不安の状態に陥り、生命と生計を維持するのに十分なカロリーを摂取できなくなっている。その数は世界全体で3億4500万人に達した。このうち約5000万人が飢餓の危機にひんしているという。