単一通貨ユーロが対ドルでパリティ(1ユーロ=1ドルの等価)を割り込んだことは、ウクライナでの戦争が引き金となって欧州経済の苦境が深まっている現実を浮き彫りにした。しかし、前回パリティ割れを経験した20年前とは異なり、今回は誰も救済に乗り出そうとはしていない。ユーロは直近で、2002年以来の安値となる0.9983ドルをつけた。年明けからじりじり水準を切り下げてきたが、最近になって売りが加速した。背景にあるのは、ロシアが欧州へのガス供給を完全に遮断し、ユーロ圏が深刻なリセッション(景気後退)に陥りかねないとの懸念だ。これに加え、14日の取引では、イタリアで起きつつある政治的危機がさらにユーロの足を引っ張った。
ユーロ「パリティ」割れ、域内経済の苦境鮮明に
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