ジョー・バイデン大統領はアラブ諸国の指導者と会談するため、中東歴訪を開始した。その中には、かつて大統領が孤立させると誓ったサウジアラビアのムハンマド・ビン・サルマン皇太子も含まれる。米国内の左派は大統領が「のけ者」だった皇太子と会うことを嘆いているが、現実の政治はそれを必要としている。石油のみならず地域の安全保障上の観点から、米国はサウジとの関係を改善する必要がある。今のところ、中東への旅はうまくいっているようだ。イスラエルでバイデン氏は、オバマ政権を特徴づけたような同国への敵対心をほとんど示さなかった。バラク・オバマ氏と当時のジョン・ケリー国務長官はパレスチナとイスラエル間の問題を無理矢理、解決しようとして時間と政治的資本を無駄にした。ハマスなど過激派がイスラエルを破滅させると誓っている限り、解決に至る可能性は全くなかった。バイデン政権も希望は捨てていないが、優先すべき課題は他にもある。