開成、麻布、桜蔭、雙葉、筑駒、渋幕……東京・吉祥寺の進学塾VAMOSは、「入塾テストなし・先着順」で生徒を選抜しないが、「普通の子ども」を有名難関校に続々と合格させると話題の塾だ。子どもの特徴を最大限に生かして学力を伸ばす「ロジカルで科学的な学習法」が、圧倒的な支持を集めている。本稿では、VAMOSの代表である富永雄輔氏の最新刊『ひとりっ子の学力の伸ばし方』(ダイヤモンド社)から、特別に一部を抜粋して紹介する。
2022年は首都圏の中学受験者数が過去最大に
今は、子どもを取り巻く環境もどんどん変化しており、親がうかうかしていると大事な成長機会を取り逃します。
2022年は中学校の受験者数が過去最大に達し、学習塾はどこも早い時期から申し込みが殺到しています。
そのため、そろそろ我が子を学習塾に入れようとしたときにはとっくに定員に達していて入れないというケースが相次いでいます。
もし、中学受験を考えているとしたら、これは大きなハンデを背負うことになります。
一度逃した成長機会は取り戻せない
学習塾に限らず、サッカーでもバレエでも、なにか習い事をさせるときに、そのタイミングがこれまでになく問われるようになっています。
かつては、「モチベーションも持てないうちにやらせたから飽きてしまった」という早すぎる失敗もありました。
しかし、最近は、早すぎる失敗よりも「遅すぎる失敗」のほうが圧倒的に多いのです。
何事も、周囲が早くから始めている中で遅れて参加すれば、ついていけずに苦しむのは当然です。
ひとりっ子の親ほど「様子見」して動けない
こういうことになってしまうのは、たいてい、ひとりっ子です。
兄や姉のときに失敗していれば、親も「今度こそは」としっかり動くのですが、はじめての場合、どうしても上手くスタートが切れないようです。
とはいえ、ひとりっ子の親も、ある程度の情報は持っているのです。ママ友同士で話をすることもあるし、会社で教育に関する話題が出たりします。
そこでは、「小学3年生になったら塾に入らないとまずいらしいね」などと話をしているにもかかわらず、実際の行動に移すことをしません。
過去に経験がないことだけに、頭の中の情報を納得させるのに時間がかかるのでしょう。
そうした親の「ちょっとしたグズグズ」のために、子どもがすごく後れを取ってしまうという残念なパターンが、ひとりっ子によく見られます。
遅れる前に、行動に移してください
勉強に限らず、運動でもなんでも、始めるタイミングは大事です。
「お兄ちゃんは3年生で始めたけれど、ちょっと遅かったみたいだから、この子は2年生からやらせよう」というものさしがないひとりっ子の親は、高くアンテナを張って情報収集する必要があります。
そして、得た情報は頭の中に留めておかずに行動に移してください。
(本稿は、『ひとりっ子の学力の伸ばし方』からの抜粋・編集したものです)