ひとりっ子は可能性に満ちている

 現在、子どもがいる家庭のうち、ひとりっ子家庭の割合は約20%です。2005年頃から、ひとりっ子が増え始め、今もその傾向が続いています。

 そうした中にあって、ひとりっ子の育て方、学力の伸ばし方についての関心が高まっています。実際に、ひとりっ子は「非常に可能性に満ちた存在」なのです。

 私は、東京・吉祥寺に本部を置く学習塾「VAMOS(バモス)」の経営者として、自ら子どもたちの指導にあたるほか、コンサルタントとしても様々な保護者と面談をして多数の家庭を見ていますが、その現場でも、こちらが驚くほど「大化けするひとりっ子」が続出しています。

 VAMOSでは入塾テストは一切行わず、先着順に生徒を受け入れています。

 難関校への高い合格率を誇り、中学受験では、渋幕、筑駒、開成、麻布、武蔵、桜蔭、雙葉、豊島岡女子学園、洗足学園、高校受験では日比谷、西といった有名校に多くの生徒を送り出しています。

 そして、そこにおける「ひとりっ子の割合」が高いのです。

『ひとりっ子の学力の伸ばし方』富永雄輔・著、ダイヤモンド社刊、定価1650円

「ひとりっ子の特徴」を最大限に生かして学力を伸ばす

 選抜もせずに先着順で入塾してきた子どもたちを、次々と難関校に送り出すために必要なのは、ひとえに「ロジック」です。

 子どもの学力について、多くの人は、持って生まれたセンスや能力が大きく左右すると考えています。しかし、最初から高いセンスや能力を持っている子など、ごく一握りしかいません。

 中学から超難関校に入ったり、東大や京大に進学したり、海外でも通用するような優秀な人間に育つのは、ほとんどが「普通の子ども」です。

 そして、そういう普通の子ども(ときには困った子ども)の「学力を伸ばす明確なロジック」があり、私はその「メカニズム」にしたがって指導しているだけです。

 ただ、そうしたメカニズムは、一般的にはブラックボックス化しています。小学校の教師ですら、どうしたら子どもたちの学力が伸びるか、どうしたら子どもたちが「わかる」ようになるかについて、理解できていません。

 となれば、親が子どもの教育について悩んでしまうのは当たり前のことです。ましてや、兄や姉という存在がいないひとりっ子の場合、親は経験値がないのですからなおさら不安になるでしょう。

 本書では、どんな子でも必ず伸ばしてきた「再現性のある学習メソッド」をお伝えします。ひとりっ子の素晴らしい可能性をともに探っていきましょう。