バカンスシーズン真っただ中のフランスですが、子どもたちも2カ月の夏休みの折り返し点に差し掛かります。彼らには、夏休みの宿題や部活はありません。理由は文字通り「夏休み」だからです。その代わり、どの家庭環境の子ども達も普段できない活動をします。一方、中高生を中心に、日本の多くの子どもたちは正反対です。夏休み返上で、先生や親から課された学期中の延長線上の活動に励みます。宿題、部活、補習、塾の夏期講習などです。偏差値と受験に偏重した時代錯誤の教育システムに組み込まれ、夏休みに休まない日本の子どもたちの将来は一体どうなるのでしょうか?(Nagata Global Partners代表パートナー、フランス国立東洋言語文化学院非常勤講師 永田公彦)
フランスの子どもたちの
夏休みの過ごし方
子どもたちにとり夏休みは、学校を忘れ、普段できないことをする絶好の機会です。初めて出会う子どもたちと一緒に文化活動、スポーツ、地域活動をする、家族でキャンプや旅行に行く、遠方に住む祖父母と過ごす、田舎や国外で生活体験するなどです。
子どもたちは、こうした新しい非日常的な活動を通じ、新しい世界を知り、新しい友達をつくり、家族を再発見します。そして、想像力、思考力、社交性、情操、好奇心などを育み自らを大きく成長させます。またバカンスは、人に満足感を与え、ポジティブな気分を生み出し、幸福感を高めるとの研究もあります 。