米FRBは0.75%連続、歴史が示唆する利上げと「スタグフレーション」の関係高インフレに収束の兆しがみられず、米国だけでなくユーロ圏でも中央銀行が利上げの大幅前倒しに追い込まれているなかで、市場は利上げによる景気後退への懸念を強めている Photo:Federal Reserve

利上げ前倒しのなかで
恐れられるスタグフレーション

  米連邦準備制度理事会(FRB)は26~27日に開いた連邦公開市場委員会(FOMC)で、先月に続いて2回連続で0.75%の大幅利上げを決めた。

 高インフレに収束の兆しがみられず、米国だけでなくユーロ圏でも中央銀行が利上げの大幅前倒しに追い込まれているなかで、市場は利上げによる景気後退への懸念を強めている。

 最悪の展開として恐れられているのが、「景気が落ち込むだけでなく、同時にインフレ高進が止まらない」というスタグフレーションにまで発展することだ。

 スタグフレーションの悲惨さを例示するためによく使われるのが「70年代に逆戻り」するという表現だ。しかしながら、半世紀近く前のことでもあり、実際に70年代に何が起きたかを正しく理解することなくイメージで語られることが多い。

 今次局面でスタグレーションが発生するリスクを正しく恐れるためには、スタグフレーションの歴史を振り返って、70年代に実際に何が起きたかを知ることが極めて有益だ。