SNSの総フォロワー数は300万人を超え、YouTube動画の月間再生数は3億回を超えるなど、現在、日本中で大ブレイク中のひろゆき氏。
彼の代表作『1%の努力』では、「考え方の根っこ」を深く掘り下げ、人生の原点をマジメに語っている。
この記事では、ひろゆき氏にさらに気になる質問をぶつけてみた。(構成:種岡 健)
「コンテンツ」の道しかない
日本のメーカーやIT企業は、世界から取り残されています。
国際競争力を付ける上で、残っている道があります。それが「コンテンツ産業」です。
アニメやゲーム、漫画など、コンテンツの道で外貨を稼ぐほうに努力していくべきです。
その上で、どんな方向性で頑張ればいいのか、語ってみようと思います。
たった1人の「頭の中」
メーカーやITの場合、「資本力」がカギとなります。
要するに、カネとヒトをつっこめば、力技で勝ってしまいます。なので、GAFAと総称されるアメリカの大企業が一人勝ち状態です。
一方で、コンテンツ産業は、資本力より「独創性」が重要になります。
どんなに世界的に優秀な人が集まって、大金をかけて作った超大作映画でも、スベるときにスベります。
それよりも、たった1人の頭の中にある「世界観」が、超ヒットコンテンツを生み出します。
ここに日本のチャンスがあります。
「見たことない世界」が価値である
コンテンツの世界では、「他と違うこと」が価値です。
人々は、まだ見たことのないものを見たいのです。
はるか昔、日本の葛飾北斎らの絵が、「ジャポニスム」として世界中で高い評価を受けました。
それは、構図がユニークだったからです。北斎の絵は、物事を立体としてではなく「平面」として徹底的に見て描くことにより、見たこともない立体感を描きました。
マンガ的な発想の走りも、ここに表れていると言われます。
世界でもヒットしている『鬼滅の刃』は、日本の大正時代を扱いました。
そこに「グロさ」を掛け合わせました。『鬼滅の刃』では、人が死にまくります。
これは、ディズニーアニメのように「人が死なない世界」に慣れてしまった人には、衝撃的だったのでしょう。
そもそも、海外の人が日本に求めるのは、忍者やサムライのような独自の世界観です。
日本人が、「カウボーイ」のようにアメリカを象徴する物語を楽しむのと同じなのです。
自分たちにとって当たり前の世界は、外国人からすると「架空のような世界」です。
なので、いま、「日本の閉鎖的な学校」の世界が、海外にとっては特殊な世界に見えているそうです。そこを追求すればヒットが生まれるかもしれませんね。
そういう目線で自分の国のことを考えてみてください。そこにヒットコンテンツの芽が眠っているはずです。
本名:西村博之
1976年、神奈川県生まれ。東京都に移り、中央大学へと進学。在学中に、アメリカ・アーカンソー州に留学。1999年、インターネットの匿名掲示板「2ちゃんねる」を開設し、管理人になる。2005年、株式会社ニワンゴの取締役管理人に就任し、「ニコニコ動画」を開始。2009年に「2ちゃんねる」の譲渡を発表。2015年、英語圏最大の匿名掲示板「4chan」の管理人に。2019年、「ペンギン村」をリリース。著書に、45万部を突破したベストセラー『1%の努力』(ダイヤモンド社)がある。