SNSの総フォロワー数は300万人を超え、YouTube動画の月間再生数は3億回を超えるなど、現在、日本中で大ブレイク中のひろゆき氏。
彼の代表作『1%の努力』では、「考え方の根っこ」を深く掘り下げ、人生の原点をマジメに語っている。
この記事では、ひろゆき氏にさらに気になる質問をぶつけてみた。(構成:種岡 健)
「謎の理由」で引っ越す人
あるお笑い芸人が、こんなことを言っていました。
「自分を追い込むために、給料に見合わない家賃のところに引っ越すと、お尻に火がついて売れるらしいんです」
おそらく、生活レベルを上げることで、仕事の質が上がるのだと言いたいのでしょう。
百歩譲って、「風呂なし、駅から遠い、狭くて壁が薄い、家賃2万円の部屋」であれば、家賃を上げれば生産性が上がると思います。
しかし、家賃6万円くらいで十分な人が、2倍の12万円のところに引っ越したところで、仕事の能力が2倍になるとはどうしても思えないのです。
人生の3分の1が大家さんの奴隷
お笑い芸人のように、売れることで給料が何倍にもなる可能性があるのなら、まだ少しは理解できます。
しかし、一般の会社員でも、同じような思考をしてしまう人がいて、思わず「残念だなぁ」と思います。
一般的に給料の25~30%が家賃として妥当な額だと言われています。
これだと手取りが30万円の人は家賃10万円の部屋ということになりますが、僕の感覚では「高い!」と思ってしまいます。
給料の30%ということは、1ヵ月のうちの10日間を大家さんに捧げていることになります。
家賃収入を得る人というのは、資産を持っている人です。要するに、お金持ちですね。
そんなお金持ちに、せっせと人生の3分の1を差し出しているわけです。そう聞くと、「それって奴隷みたいだな……」と感じませんかね?
「あの人、安いところに引っ越したらしいよ」
家賃が2倍になったら仕事の質が2倍になると思い込むのは、残念な思考です。
それだったら、同じ家賃のまま少し頑張って給料を1.2倍にしたほうがトクしたと思えるはずです。
そして、本当に厄介なのは、「家賃を下げる」ということに心理的なハードルがあることです。
食事であれば、少し安いものを食べて我慢することは簡単です。
しかし、家となると話は別です。
一度でも高い家賃で生活をしてしまうと、次に家賃を下げて生活をすると、途端に「自分は終わってしまったんだ……」と落ち込んでしまうのです。
周りの人からの目も気にしてしまいます。
「あの人、安いところに引っ越したらしいよ」ということを言われるのが我慢できないのです。
ということで、安易に家賃を上げるのではなく、正当な理由を考えて家を探すようにしましょう。
風呂はあったほうがいい。駅から近くしたい。隣の人の声が聞こえないほうがいい……。というように、1つ1つクリアしていく感じでちょうどいいのです。
本名:西村博之
1976年、神奈川県生まれ。東京都に移り、中央大学へと進学。在学中に、アメリカ・アーカンソー州に留学。1999年、インターネットの匿名掲示板「2ちゃんねる」を開設し、管理人になる。2005年、株式会社ニワンゴの取締役管理人に就任し、「ニコニコ動画」を開始。2009年に「2ちゃんねる」の譲渡を発表。2015年、英語圏最大の匿名掲示板「4chan」の管理人に。2019年、「ペンギン村」をリリース。著書に、45万部を突破したベストセラー『1%の努力』(ダイヤモンド社)がある。