最終的にリセッション(景気後退)が宣言されるかどうかにかかわらず、最新の米経済統計から得られるメッセージは景気後退と同じように厳しい。景気回復は事実上終了したということだ。確かに、今年第2四半期のインフレ調整後の実質GDP(国内総生産)の伸び率がマイナスになったことはやや誤解を招きかねない。第1四半期と同様、マイナス成長のすべてが在庫の減少によるものだからだ。雇用はなお伸びている。それでも、経済活動の主要な指標は停止を示している。家計と企業を合わせた支出は、第2四半期は全く伸びなかった。それまでの6四半期は平均で年率6%増加していた。実際、月次データでは消費支出が横ばいにとどまったか減少したことが示されている。特に、高額の耐久財に限らずモノへの支出がそうだ。食料品への支出はこの6カ月で減少した。インフレが景気減速の規模を覆い隠している。ユニリーバなど消費財メーカーでは、販売量が減少しても価格上昇のおかげで売上高が増加した。物価が急騰しているため、第2四半期の名目GDP(インフレ調整前)は年率8%の力強い伸びを記録した。