中国経済の成長に急ブレーキがかかる中で28日開催された共産党中央政治局会議では、予想外に「見送られた事項」が最大の注目を集めた。成長押し上げに向けた新たな刺激策、投資と消費に破滅的な打撃を与えているコロナ封鎖の緩和、そして何より重要な不動産市場に対する締め付け解除について、何も決定されなかったことだ。それどころか、中国指導部は今年の成長目標について、事実上の撤回に動いた。秋に異例の3期目続投を目指す習近平国家主席にとって政治的に重大な年に、中国経済が直面する逆風を暗に認めたと言えそうだ。2008年の世界的な金融危機時とは異なり、中国当局が強力な刺激策を打ち出すとみるエコノミストはほとんどいない。指導部はここ数カ月にわたり、景気押し上げに向けた与信拡大対策を繰り返し見送り、むしろ財政・金融面で規律を維持する自国の方針を、折に触れ西側の「放漫ぶり」と対比する材料にしてきた。
中国経済の急減速、意外な「対策なし」の裏事情
巨額の刺激策は当面封印、成長目標は事実上の撤回
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