ウクライナ軍は5月、同国第2の都市ハリコフ市からロシア軍を後退させると、国境方面へと急ぎ、しばらくロシアの支配下に置かれていた自国の領土に国旗を立てた。それ以降、ウクライナ北東部の戦況は総じて膠着(こうちゃく)状態が続いている。ロシア領からはウクライナ軍や民間施設への砲撃が続く。だが、ウクライナは西側から提供された兵器でロシア領を狙うことはしないと確約している。ハリコフ南東部にある第40独立砲兵旅団の砲撃司令官、イエベン・トニツァ氏は「われわれの手足は縛られている」と話す。標的にできるのはウクライナ占領地におけるロシア軍の拠点のみで、国境を超えてロシアのベルゴロド州近辺までは狙えないという。「許可があれば、かなり前に結果が出せていただろう」